1. 外国人研修・技能実習コンサルティング
  2. 研修生・技能実習生と労働関係法令

外国人研修制度の基礎知識

研修生・技能実習生と労働関係法令

1.労働契約の締結

 在留資格「研修」の活動は、「日本の公私の機関により受け入れられて行う技能、技術又は知識の修得をする活動」となり、労働に従事し賃金を得る活動ではありません。そのため、雇用契約の締結は不要となります。在留資格「技能実習」の活動は、「日本の公私の機関との雇用契約に基づく活動」となり、技能実習生の受入れにあたっては、雇用契約の締結が前提となります。

2.労働契約締結の必要性

 技能実習生は日本の法令、職場慣行等を理解していないことが多く、職場でのトラブルが発生しやすいといえます。また、いったんトラブルが発生すると言葉や文化の違いからその解決は非常に困難を極めます。このようなトラブルを未然に防止するため、実習実施機関と技能実習生との間で労働契約上の権利・義務関係を明確にしておくことは非常に重要です。そのため、技能実習生が入国する前に、日本語と外国語で雇用契約書や労働条件通知書等の書面を作成し、技能実習生本人と労働契約を締結する必要があります。

3.労働関係法令の適用

 労働基準法その他労働関係法令の適用については、研修生・技能実習生の“労働者性”で判断されます。研修生については、一般的に“労働者性”が否定されていますが、これは研修の目的が労務提供ではなく、かつ賃金の支払いがないことを基本としているからです。しかし、入管法上では雇用契約が締結されていなくても、労働者保護を目的とする労働関係法令の趣旨から実質的に“労働者性”がないことを否定されれば、労働基準法等が適用されることになります。一方、雇用契約の締結を前提とする技能実習生は労働者であることが基本となり、使用者となる実習実施機関との雇用関係の下に報酬を受けます。そのため“労働者性”の有無を疑うことなく労働基準法上の“労働者”に該当し、通常の労働者と同様に労働関係法令についても適用されます。

4.労働保険・社会保険の適用

 原則として受入れ機関と雇用契約を締結しない研修生は労災保険が適用されないため、業務上の労働災害等が補償されていません。そのため、研修生が研修中に負傷、疾病等に罹患した場合に備え、JITCOが窓口となる “外国人研修生総合保険”などの民間保険を利用することになります。

 雇用契約の締結を前提とする技能実習では、実習実施機関において労災保険、雇用保険、健康保険及、厚生年金保険に加入して技能実習生の労働災害や傷病等に備えることになります。また、実習実施機関が健康保険や厚生年金保険の適用に該当しない場合は、国民健康保険や国民年金の制度に加入することになります。

5.研修手当と賃金

 “研修手当”とは、外国人研修生の生活費等の実費弁償として支払われる金品等のことを意味し、酒・たばこ等の嗜好品、参考書、日用品の購入、散髪、電話等への小遣い程度などが該当します。一方、雇用契約に基づく技能実習は、労働の対価として賃金を得ることになりますが、特に労働基準法と最低賃金法には注意しなければなりません。

 労働基準法は、労働条件等の最低基準を規定した強行法規であり、賃金については支払い方法や割増賃金などが規定されています。最低賃金では、最低賃金法により都道府県の地域別と産業別に最低賃金額が公表されており、使用者はその最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなくてはならないとされています。また、上陸基準省令によっても「日本人が従事する場合の報酬と同等額以上」と規定され、最低賃金を支払えばよいというものではありません。

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